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薦(こも)に包まれた杉の大樽で風味豊かなお酢造り。
当社は1789年の創業以来、今日に至るまで古来より伝わる醸造法「静置発酵法」による本格醸造に取り組んでまいりました。近年、機械化が進むにつれ「速醸法」とよばれる製法により、短時間で大量生産されたお酢が市場に出まわる中、私たちが頑なに手造りを守り続けているのには理由があります。
それは「静置発酵法」により樽の中で自然循環が行われ、モロミ(お酒)は酢酸菌により発酵・長期間熟成されることにより、アミノ酸をはじめとする有機酸を多く含んだ栄養価の高いまろやかなお酢になるからです。

【1】酢造りは米選びから

香川県は瀬戸内の温暖な気候に恵まれる反面、水不足が問題になりがちなところですが、当社の位置する高松市南部の仏生山(ぶっしょうざん)と呼ばれる地域は良質な地下水が豊富なことで知られています。
また、「寒(かん)」の内に汲んだ水は雑菌が少なく長期保存に向いているとして、その寒の水で造ると良い酒が出来るといわれています。
寒の内に汲んだ良質な地下水と選び抜かれた香川県産米を使い「吉の酢」の元に なるモロミ造りは始まります。
香川県産米

【2】アルコール発酵

まず初めに、モロミの元となる酒母を造ります。その酒母に、初添・仲添・留添と適温に冷ました蒸米を3回に分けて加え、酵母を徐々に増やしながら発酵させる、「三段仕込み」という方法で3週間前後発酵させます。発酵によりアルコールと炭酸ガスに分解されて、静かな蔵の中にパチパチと音が響きます。
アルコール発酵

【3】酢酸発酵

酢酸菌は、常に活動しやすい一定の温度と湿度管理が必要となります。
当社では、酢酸発酵には杉の大樽を使用するため、現代的な断熱材や保温材ではなく「薦(こも)」と「筵(むしろ)」を巻きます。 こうして樽の呼吸を助けながら菌を活性化させ、そのまま昔ながらの発酵法である「静置発酵法」にて2〜3ヶ月前後発酵させます。
酢酸発酵

【4】オリ引きと熟成

土壁で囲まれた木造の「蔵」は換気性に富み、夏は涼しく冬は暖かく、さらに湿度管理ができるという、まさに先人が残してくれた知恵が凝縮された場所です。仕込みを終えた酢は、その蔵の中で静かに熟成に入ります。
その際、沈殿したオリ(たんぱく質が凝固したもの)を丁寧に取り除くために、樽から樽へと空気に触れさせながら移し変えます。 こうした作業を繰り返し、半年以上熟成させることでまろやかな味へと変化していきます。
オリ引きと熟成

【5】ろ過・充填・製品

こうして手間隙かけて造られたお酢は、酸味の中にまろやかな風味とコクが溶け込んだやさしいお酢に仕上がります。
その後、不純物を取り除いて加熱殺菌をして瓶詰めを行います。ガラス製の瓶入りにすると、重くて扱いづらいという弱点はありますが、空気を通さないことから酸化の心配がなくそのままの味をお届けすることができるのです。
ろ過・充填・製品

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